英語IR協会準備室

英語IRコンサルタント西村麻美のブログ

合弁相手のWestern Digitalが東芝メモリーを売却予定にAppleの意向で番狂わせか?

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Apple mounts a full-court press for Toshiba’s chip business, waging battle with Western Digital” (CNBC.com 9/8/2017)

 

Apple東芝メモリーにとっての一番の上客で、東芝メモリーはiphone向けにNANDフラッシュメモリーを供給しているが、Western Digitalが将来的に東芝メモリーの議決権の過半数を取る事になったら、東芝メモリーからの供給は中止したいとの意向。

 

現時点では、Western Digitalの出資はマイノリティ投資という事で話合いをしているが、将来的に議決権の過半数を取るのはWestern Digitalのシナリオにあると思う。

 

そうなったらAppleからの売り上げをすべて失う事になり、相当な痛手。

 

しかし、Western Digitalがマイノリティ投資のままであるならApple東芝メモリーを5兆円で買いたいとの意向。Western Digitalからのオファーが1兆9000億円なので、約2.5倍のオファー金額。

 

5兆円というのは東芝メモリーの実力を正当に評価した金額だと思うし、Appleに売却すれば確実に東芝東芝メモリーという稼ぎ頭を失ってもグループ全体のリストラは上手くいくだろう。

 

一番のネックは本来なら8月末までに売却の決定をしなければ、今期末時点で債務超過を解消するのに間に合わず、東証の規定で、上場廃止になるギリギリのタイミング。

 

果たして東芝の現経営陣がスピーディーな経営判断をできるかが一番の問題。